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『未来をつくる権利社会問題から読み解く6つの講義』荻上チキ

 

権利を主張するとそれに対し義務の強要を迫られるが、果たしてこの関係はいかがなものなのか?この本では、様々な社会問題を”権利”という観点から捉え直している。

全6講(章)からなるこの本では、日本憲法下で保障されている生存権をベースに新たな権利として、スポーツ権や快眠権、快便権などユニークな権利の必要性も著者は訴えている。

 

社会が急速に変化する中で、法律が追いついていない。時代の中で窮屈を強いられる人々が刻一刻と変化し、そのスピードが年々早くなるため、救済する法律の整備ができていないことも事実である。

例えば、インターネットの普及に伴い、一度出回った写真がウェブ上に一生残り続け、リベンジポルノのように、過去の醜態が残り続ける危険性に私たちは晒されている。これについて筆者は「削除する権利」の重要性を主張している。現に、欧米や日本でもこれと類似の権利の必要性が主張され、法廷で議論されているが、対極にある「知る権利」の優位性から市民権を得ていない。

 

近代史においても権利の獲得は日々の人類のテーマであった。富裕層の男性のみに与えられていた選挙権が男性すべてに、女性に、18歳にと変化していくように、権利の獲得は人間の課題の一つだ。

権利を主張してばかりいると、反感を買うが、当たり前に保証されることに関して考えるのも悪くないのでは?